【スペイン】世界遺産のセビリア大聖堂!建物も規模も人もすごかった

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こんにちは。

アンダルシアの州都セビリア。セビリア観光で外せないのが、世界最大級のゴシック様式の大聖堂で世界遺産にも登録されているセビリア大聖堂(Catedral de Sevilla)。内部の絵画や装飾、オレンジの中庭、そしてヒラルダの塔から眺めるセビリアの景色、どれもがとても印象的でした。

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セビリア大聖堂とは

セビリアの旧市街の中心にそびえるヒラルダの塔が目印。場所はこちら↓

Quick Guide

セビリア大聖堂は、12世紀に建設されたセビリアの大モスクが13世紀にキリスト教の大聖堂として転用されたもの。そのため、一般的な教会堂に見られるラテン十字型の平面図ではなく、四角形の平面となっているのが特徴で、内部にもモスクの名残が至る所に見られます。その後何世紀にも渡り改修が繰り返され、時代ごとの建築様式が融合しています。ランドマークとなっているヒラルダの塔(鐘楼)も旧モスクのミナレットを16世紀に改修したもの。内部は、大航海時代の探検家コロンブスのお墓、ムリーリョやゴヤ、スルバランなど著名な画家の作品など見どころが目白押しです。

また1987年には、隣接するアルカサルとインディアス古文書館とともにユネスコの世界遺産に登録されました。

建物の総面積:23,500平方メートル。ゴシック建築部分だけで、長さ126m、幅83m、高さ(翼廊の中央部の最も高い部分)37m。ヒラルダの塔の高さ96m。

行列必至!見学は時間に余裕をもって

セビリア大聖堂は、セビリア随一の人気の観光スポットでもあり、行列必至。入場制限を行っているため、前後に予定がある場合やハイシーズンに訪れる場合は、早めに事前にオンラインでチケットを購入しておくことをおすすめします。

オンラインでのチケット購入(公式サイト)はこちら

セビリア大聖堂は、北に400mほどの場所にあるサルバドール教会(Church of El Salvador)と共通チケット。私は、10時過ぎにサルバドール教会に行き、チケットを購入(13€/2024年1月時点)。サルバドール教会も行列ができており、少し待ちましたが無事チケットGET。大聖堂の入場は、この日は11:35〜16:30までならいつでもOKとのことでした。

ということで、サルバドール教会を見学した後、12:00頃に大聖堂へ向かいました。

入口は、大聖堂の南側(インディアス古文書館の前)のサン・クリストバル門。ゴシック様式の装飾が美しい。サン・クリストバル門の前には、ヒラルダの塔の上に設置されている信仰の勝利像(通称:ヒラルディーヨ)と同様の像が出迎えてくれます。入口は多くの人で混み合っていましたが、チケットを見せるとすぐに入ることができました。

セビリア大聖堂の内部

入口から入るとまず目に入るのが、身廊の中央の聖歌隊席の横にそびえるパイプオルガン。

翼廊には、日本人にもお馴染みコロンブスのお墓ががあります。

コロンブスのお墓は彼の死後転々とし、セビリア大聖堂に移されたのは1899年。彫刻家アルトゥール・メリダの作品で、コロンブスが生きていた時代のスペインの4つの王国(カスティーリャ、アラゴン、ナバラ、レオン)を象徴する使者に担がれた様子を表しています。

衣装の紋章がそれぞれの王国を表しており、ライオンが描かれた衣装を着ている手前右側はレオン王。ザクロはグラナダのシンボルであり、レオン王のザクロを貫く槍は、グラナダがレコンキスタでキリスト教に征服された最後の王国であることを象徴しているのだそう。

聖具納室の壁面は絵画で埋め尽くされ、美術館のよう。

中でも、ゴヤがセビリア大聖堂のために描いた祭壇画「聖フスタと聖ルフィーナ」は、見どころの一つ。この二人は殉教したセビリアの陶芸家姉妹で、それを象徴するように手元に陶器と殉教を象徴する棕櫚(しゅろ)の葉が描かれています。

続く主聖具納室は、壁や柱、天井の彫刻装飾と数多くの絵画が飾られ華やか。ドーム天井の天窓から自然光が差し込み装飾の美しさがより際立ちます。

祭壇の手前には、ファン・デ・アルファ作の聖体顕示台が置かれ、祭壇画はペドロ・デ・カンパーニャ作の「十字架降下」。

こちらは参事会控えの間。壁には聖書の場面が描かれ、天井も美しいレリーフに覆われています。

控えの間から回廊を抜けると、16世紀の建築家エルナン・ルイスにより手がけられた華やかなルネサンス様式の参事会室。楕円形のドーム天井は、ステンドグラスや絵画で装飾されています。

ドーム天井で一際目を引くのが、ムリーリョの「無原罪の御宿り」。

「無原罪の御宿り」を囲うようにセビリアの8人の聖人画が飾られています。

身廊の主祭壇の向かいには、聖歌隊席があります。聖人の彫刻と聖書の場面を表したレリーフでびっしりと埋め尽くされています。

冒頭でも紹介しましたが、聖歌隊席の両脇の巨大な2つのパイプオルガンも圧巻。

高い柵に覆われたこちらは、主祭壇。

15〜16世紀にかけて制作されたこの祭壇画は、高さ30m、幅20mに及び、当時のキリスト教圏では最も壮麗な多色木製彫刻作品とされていたそうです。

気の遠くなるような精緻な彫刻で、言葉を失います。

カメラには収まりきらない巨大な空間。ヴォールト天井も圧巻。

側廊には、巨大なテネブレ。さらに側廊の反対側にもチャペルがたくさん並んでいます。

サンアントニオ礼拝堂には、ムリーリョ作の祭壇画「パドヴァのサンアントニオの幻影」の祭壇画があり、こちらも見どころの一つ。

そして、この絵画はいわく付きだそうで、wiki先生によると、1874年11月にサンアントニオの部分が窃盗団によって切り取られていることが判明し、翌年1875年1月にニューヨークの画廊で発見され、無事セビリア大聖堂に戻ってきたのだとか。

こちらが、当時サンアントニオの部分が切り取られた絵画だそう。名画の宿命なのか・・・・一部だけを切り取るのもすごいけど、海を渡って、偶然ニューヨークで発見され、無事戻ったこともびっくり。ギャラリーのオーナーが買取り、スペイン領事館に連絡して返却したんだとか。

こちらの輝きを放っているのは、銀の祭壇。中央には幼子イエスを抱えた聖母マリア像、その両脇には聖イシドロ像と聖レアンドロ像があり、背後の太陽のような形をした聖壇の上には王冠が乗っています。

祭壇の上には、聖母マリアの被昇天の絵画とイエスの昇天を描いた鮮やかなステンドグラス。

このほかにも紹介しきれないほど、たくさんの絵画やステンドグラス、彫刻など盛りだくさんで、西洋美術・宗教建築好きにはたまらない場所だと思います。

オレンジの中庭

大聖堂内部を堪能した後は、オレンジの中庭へ。

その名の通り、オレンジの木々が植えられた中庭。とっても平和な空間で心地よく、観光客で賑わっていました。

上を見上げるとヒラルダの塔。北側の壁面は修復中でした。

オレンジの中庭に面したゴシック様式の受胎の門は未完成だそうですが、迫力あります。

ヒラルダの塔

さて、オレンジの中庭で一息ついた後は、大聖堂内部に戻り、いよいよヒラルダの塔に上ります。

案内板に従って進むと結構な行列・・・。

ヒラルダの塔は、馬に乗ったまま登れるように設計したらしく、スロープになっているので、いわゆる教会の鐘楼の狭い階段よりは通路幅もあり、上りやすかったです。

行列は続き、ゆっくりゆっくりと歩みを進めること約20分。ようやく屋上が見えてきました!こんなに混んでいる塔に上るのは、初めてだったかもしれません。

屋上からは、360度セビリアの景色を見渡せます。

大聖堂のヴォールト天井の屋上も見ることができます。中世の雰囲気がどことなく感じられます。

金網が張り巡らされているので、こんな感じにはなりますが。

セビリアの街並み。高い建物が周辺にないので、遠くまで見晴らすことができます。ゆっくり景色を楽しみたいところですが・・・・

実際はこの通り。大混雑で、ゆっくり眺める暇はありません。セビリア随一の観光スポットだけあって、混雑っぷりも間違いなくトップクラス。10分ほど滞在した後、下りは上りよりは早く10分ほどで下りることができました。

最後は、オレンジの中庭を抜けて、幾何学模様が施された馬蹄型のイスラム様式の「免罪の門」から退出。

今でこそハイテク技術で建物の工期や機能面は大幅に向上されていますが、巨大な建築物をつくり上げるベースとなる建築技術というのは、中世の時代(もしくはそれよりも前)から確立されていたと思うと、改めて人間の創造する力ってすごいなと思わずにいられません。

今回、大聖堂、オレンジの中庭、ヒラルダの塔含め、見学にかかった時間は2時間ちょっと。ヒラルダの塔が空いていれば、もう少し短かったかもですが、見学は少なくとも2時間は見ておいた方がよさそうです。

セビリア大聖堂とヒラルダの塔の外観

大聖堂内部はもちろん見応えありますが、外観もヒラルダの塔含め、とっても印象的。特に夜はライトアップされて美しいのです。

大聖堂周辺は、レストランやショップもたくさんあり、夜になっても多くの人で賑わっています。

朝日に照らされて、ピンク色に輝くヒラルダの塔。

時間や天候によって様々な表情を見せてくれ、滞在中は何度も見入ってしまいました。

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